インタビューInterview

松明里Akari Matsu

デザイナー
株式会社ニュー・オータニ デザイン室

プロフィール

1998

東京都生まれ

2016

武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻 入学

2018

武蔵野美術大学油絵学科版画専攻 専攻変更

2020

武蔵野美術大学油絵学科版画専攻 卒業

2020

株式会社ニュー・オータニ 入社

卒業後、株式会社ニュー・オータニ デザイン室配属として入社。レストランや宿泊やイベントなど館内で必要となる販促物や広告物などの制作やそのデザイン管理、時折写真撮影などを担当。2020年12月からはデザイン業務に加えて、ホテル館内直営のバーの販売促進にも携わる。

ムサビの版画専攻に在籍していた学生時代、印象に残っている出来事があれば教えてください。

木版、シルクスクリーン、リトグラフ、銅版の4種の版画制作の基本を体験でき、自分の求める表現との相性を時間をかけて確かめられたことです。工房に入ってからは、油絵専攻の雰囲気とは異なって、学生数が少ないため教授や先輩との距離感が近くアットホームな雰囲気がありました。私は木版工房におり、木を切ったり粘土を使用したり、その時に自分が興味を持っていることに取り組んでいましが、教授が親身に相談に乗ってくれたり、温かい目で見守ってもらえていたため自由に制作ができました。

今、松さんは株式会社ニュー・オータニでどのようなお仕事をされていますか?

主に2つの仕事を担当しております。 一つ目は、上記のとおり社内デザイナーとして、季節ごとのレストランのメニューやポスター、リーフレットなどの作成や、定期作成しているカレンダーや会社紹介のパンフレットの制作管理なども担当しております。他に、イラストを使用したグリーティングカードを一度作成した際、社内外で好評だったためWebのキービジュアル作成やSNS投稿用など様々な用途でイラストを描くこともあります。 二つ目は館内レストランのバーの販売促進も携わっております。 現場のバーテンダーの方々とシーズンごとのプロモーションなどを企画し、同時にプレスリリースの配信などの販売促進も行なっております。

ムサビの油絵学科版画専攻を卒業されましたが、デザイナーとして活躍されている今、学生時代に学んだ版画専攻の学びがどう活かされていますか?

実際仕事の内容が大学で行っていたことと直線状で繋がることはあまりないですが、学生時代に興味を持っていたことや経験などが巡り巡って仕事に関わってくることが度々ありました。例えば、毎年お客様や取引先向けに浮世絵カレンダーを作成していますが、色校正や作品選定時に木版制作での経験を生かすことがありました。

2023年4月から「版画専攻」は「グラフィックアーツ専攻」という名前に変わりますが、新しく入学する学生の皆さんにメッセージをお願いします。

専攻名称を変更されましたが、絵を描くことをベースにクラシックな版画も学びつつ、デザインとアートの中間地点のような、イラストレーションや絵本の実習などを学べるカリキュラムは版画専攻だからこそできる内容だと思います。教授は豊富な知識や、油絵学科ならではのある意味「なにをやってもいい」精神で、学生の表現に対する寛容さや柔軟さを持っています。受験をする際にデザイン学科とファインアートで迷われた方やグラフィックアートなど具体的にやりたいことが決まっている方におすすめの専攻になると思います。

2年連続で作成したスイーツカレンダー。2021年は販売もしました。

春はWEBキービジュアルやリーフレット表紙作成。
https://www.newotani.co.jp/tokyo/sakura/

バーで販売する新商品の撮影風景。
写真の使用用途や商品のコンセプトに沿って、背景や小物を考えます。

イベントで使用したカクテルメニュー。